心-しん-
かつて数多の人々が紅蓮の王と使い魔たちを愛し支えた。
だが月日が経つにつれその支え人は減っていった。
ニド「俺達はしょせんその程度だったのだろうか・・・」
そして紅蓮の王の物語は完結することなく強引に終わった。
リシア「私たちはそんなに簡単に捨てられる存在だったの?」
紅蓮の王と使い魔を見守ってきた1人の男は物語が終わったあともなんとか彼らの痕跡を遺そうとする。
「まだ、まだなにか、足掻いてロードオブヴァーミリオンというモノがあったということ残せるはず」
彼は紅蓮の王の物語を好意に思う集いの場でそれを遺そうとした。
だが、その集いの場も斬り捨てられることが決まった。
仕方ない、金にならない、意味がない、価値がないから
そんな賢い理由でその場は斬り捨てられる。合理的で至極当然といえる。だが・・・
心は?
心の声は?
ギデオン「僕たちはまだ消えたくない!」
アンジェラ「誰か私たちを覚えていて」
リータ「誰か私たちを残して・・・」
リシア「私たち・・・・・」
『生きたいよ!』彼女らの死とは誰もがロードオブヴァーミリオンを覚えていないことである。
神-しん-
神話、宗教、伝承、物語
これらを考えついた人々はまさに神のごとき天才といえる。
彼らが伝えた物語は数千年の未来である『今』でさえ知られている。
事実なのか?架空なのか?妄想なのか?虚像なのか?洗脳の術なのか?
そういったことはどうでも良いだろう。確かなのはそれらが残るということなのだ。
残るほどの物を考え付いたのだ。それこそ神といえる
ツクヨミ「まるで嘘のようで馬鹿げている非科学的な話の数々。でも人はその神秘に惹かれる。それはなぜか・・・」
ジャンヌ「死への恐怖?それとも戦争をしたいための口実?いや、理解を超えたなにかに対する好奇心なのだろうか?」
テオ「1つ言えるのは・・・」
『魅了される!』その物語たちを統合して作られたロード・オブ・ヴァーミリオンという物語に魅了された人たちがいた。
信-しん-
紅蓮の王を含めた数々の使い魔の絵が描かれた。その絵に魅入られたからこそ人々はロードオブヴァーミリオンを支えた。
物語が終えてもそれらを形にした絵はある。その美しくも魅力的なキャラクターを使い誰かが紅蓮の王としてでなくても
なにかの形にしてまた人々を魅了してほしいと信じたい
テオ「なんでもいいぞ。あたしたちを好きだと言わせてくれ
『信じているから!』
たとえ彼女たちの舞台が消えてもロード・オブ・ヴァーミリオンで生まれた彼らが活躍する時を待つ。
罪-Sin-
紅蓮の王の物語はある時を境に全く違う形へと変わった。その変わった紅蓮の王の物語を受け入れることができない人は多かった。
その形はともかく、かつての形にも再現してほしいという願いもあったがその願いは聞かれることはなかった。
変化と進化は違う。変化は過去の形を壊し別の形にすること。進化は過去よりも優れ良い点だけが伸びる状態である。
だが、本当の罪は・・・・
テレーゼ「わたしを創ったのはだれ?わたしたちを捨てたのはだれ?」
テオ「そうさ、人だ。勝手に創って、勝手に捨てて・・・・」
『この罪人ども!』創るも壊すも捨てるも人間。愚かな独り遊びをいったい我々はあとどれくらい続けるのだろうか?その愚かで悲しい独り遊びに終わりはあるのか?
真-しん-
事実は変えることができない。
事実にいくら言ってもそれは不動で壊すことはできない。
事実は真実ではない。
真実は変えることができる。真実は作ることができる。
紅蓮の王の使い魔たちの元になった原型には事実があっただろう。
ジャンヌ「キリストがした偉業」
ツクヨミ「平家を源氏が滅ぼし鎌倉幕府を創った」
ではその事実を下敷きにし、真実に作り替えたのは・・・
聖書、御伽(おとぎ)、嘘・・・・どれだけの形として残して真実としたのか
小梅「その真実にどれだけ惑わされて」
チユ「どれだけの悲劇を産んだのだろう」
『真実という嘘でどれだけ殺したの!?』
真実の事実は悲しみと死を産んだ。
テオ「そっか・・・真実はそうだったのか・・良かった、良かった」
テレーゼ「真実を知って・・・安心した」
『真実で私たちは救われたよ!』
真実はどれだけの救いと希望を産んだのだろうか。
優羽莉「真実で良いから・・・・嘘で作ったものでが良いから、私たちを・・」
『助けて!』真実で助けれるなら・・・・・。ロードオブヴァーミリオンも助けれるのではないだろうか
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